仏頂面ぶつちやうづら)” の例文
旧字:佛頂面
自分は敷島しきしまくはへて、まだ仏頂面ぶつちやうづらをしてゐたが、やはりこの絵を見てゐると、落着きのある、ほがらかい心もちになつて来た。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
詩人の声 (朗唱する)夫婦、繋がれた一つゐの男女、朝は夫の仏頂面ぶつちやうづら、夜は妻の溜息、十年一日の如く、これも自業自得、互に見あきた顔と顔。
世帯休業 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
殊に高い勘定台の後ろに仏頂面ぶつちやうづらさらした主人は飽き飽きするほど見慣れてゐる。いや、見慣れてゐるばかりではない。
あばばばば (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
面白きは竹田がたけを作りし時、頼みし男仏頂面ぶつちやうづらをなしたるに、竹田「わが苦心を見給へ」とて、水にひたせし椎茸しひたけ大籠おほかごに一杯見せたれば、その男感歎してやみしと云ふ逸話なり。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、一つの茶席もない、更に好い時に来なかつたのは、返す返すも遺憾ゐかんに違ひない。——自分は依然として仏頂面ぶつちやうづらをしながら、小林君と一しよに竹藪のうしろに立つてゐる寂しい光悦寺の門を出た。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
すると彼は仏頂面ぶつちやうづらをしたまま、かう巡査に返事をした。
貝殻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)