仇英きゅうえい)” の例文
床には、彼の風雅癖を思わせて、明人みんびと仇英きゅうえいの、豊麗ほうれい孔雀くじゃくの、極彩色ごくさいしき大幅が掛けられ、わざと花を生けない花瓶は、そう代の磁だった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
ただし、この方は掛物の前に立って、はあ仇英きゅうえいだね、はあ応挙おうきょだねと云うだけであった。面白い顔もしないから、面白い様にも見えなかった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それはまさしく、支那の唐代の風流貴公子といった、仇英きゅうえいの絵なんぞによくある瀟洒しょうしゃたる美少年なのでありましたが
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
仇英きゅうえいの回錦図巻と狂女の絵。その二つを頭の中で組み合わせながら、再び白雲は旅にのぼったものです。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「仇十洲は御存じの通り、仇英きゅうえいのことで、明代みんだい四大家の一人です……」
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)