仁術じんじゅつ)” の例文
外科げかでは上手と云われているが、脂ぎった五十男で、仁術じんじゅつという職業には余りに体力的な人物だった。道楽が多いらしいのである。いつも高利を借りて苦しんでいる。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かかるときにおいてはじめて芸術は人類に必需ひつじゅで、自他じた共に恵沢けいたくを与えられる仁術じんじゅつとなる。一時の人気や枝葉しようの美に戸惑とまどってはいけない。いっそやるなら、ここまで踏みることです。
巴里のむす子へ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「丈夫なものは寄せつけませんわ。医は仁術じんじゅつですから」
冠婚葬祭博士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)