人魚にんぎよ)” の例文
「大夕立に叩かれて、曲者の身體は人魚にんぎよのやうに綺麗だつたさうですよ。尤も、湯もじ一つだけは締めてゐたが——」
彼女等はこの地方ちはうの山地の出生で、この日はじめて海に這入はいるのだが、黒色のどう人魚にんぎよで無からうかと幻覺を起させるほど、ここの風景に調和した慣海性があつた。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
雨と風、まつたくだ! 成る程あなたは人魚にんぎよのやうにびしよ濡れだ。私の外套を
人魚にんぎよは、そうおもったのでありました。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人魚にんぎようかびぬ、波は燃え
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
まどはしの人魚にんぎよける。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)