京兆けいちょう)” の例文
その他犬が仙人に従って上天した例多く、韋善俊は唐の武后の時京兆けいちょうの人なり。長斎して道法を奉ず、かつて黒犬を携え烏竜と名づく、世いて薬王とすという。
京兆けいちょういん温璋おんしょうは衙卒の訴にもとづいて魚玄機を逮捕させた。玄機はごう弁疏べんそすることなくして罪に服した。楽人陳某は鞠問きくもんを受けたが、情を知らざるものとしてゆるされた。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
張既ちょうきあざな徳容とくようという者がいます。高陵の生れです。これを京兆けいちょういんにお用い下さい。張既と力を協せて、必ず、丞相をして二度と西涼のゆうをなからしめてみせます」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
へびをたずさえて酒家にあつまる者もあれば、羊脾ようひをとって人を撃つ者もあるので、京兆けいちょう(京師の地方長官)をつとめる薛公せつこうかみに申し立ててかれらを処分することとなり
もと京兆けいちょう府の司法部に勤めていたが、公事くじ訴訟には、いつも人民の声を正しくきいて、少しも、よこしまないところから、逆に上司の奉行や腐敗役人からツマはじきされ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)