“交誼(よしみ)” の例文
「ますます弁解が苦しいが、朋友(ともだち)の交誼(よしみ)に、店がいそがしかったと云うことにしておいてやろう」と、岩本は始終(しょっちゅう)笑っていた。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
どうか生不動の親分と貴方との、生前の交誼(よしみ)をお思いなすって、小野派の道場で鍛えた腕をお貸しなすっておくんなさいまし
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同じ町内の交誼(よしみ)で椿岳は扇面亭の主人とはいたって心易く交際(つきあ)っていて、こういう便宜(びんぎ)があったにもかかわらず、かつて一度も書画会を開いた事がなかった。
沼田の鹽原角右衞門殿は同姓の交誼(よしみ)で手前を藁の上から取上げて育てゝ八歳に成って返す時、礼として五十金を贈られ、拙者は其の五十金を持って身姿(みなり)を整え
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「では、おぬしは、年来の交誼(よしみ)を捨て、この長崎屋の、咽喉をおしめになるつもりだの?」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
一体、自分達の方から進んで生徒を許すのが至当(あたりまへ)だ。まあ勧めるやうにしてよこすのが至当だ。兎(と)も角(かく)も一緒に仕事をした交誼(よしみ)が有つて見れば、自分達が生徒を連れて見送りに来なけりやならない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
すると、軍吏(ぐんり)桓楷(かんかい)という者があって、劉表とは、以前の交誼(よしみ)があるとのことなので、桓楷を、その使者に立てた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吉田神社の神官吉田兼和とは日ごろの交誼(よしみ)も深い。その兼和が白河口に待っていて彼に告げた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
河内(かだい)の張楊(ちょうよう)は、呂布と交誼(よしみ)があるので後詰(ごづめ)して、呂布を助けんと称し、兵をうごかしました。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)