二人前ふたりまえ)” の例文
彼はそれほど独立心の強い男でした。だから私は彼を私のうちへ置いて、二人前ふたりまえの食料を彼の知らないにそっと奥さんの手に渡そうとしたのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おしい事には怠惰者だと云うは腕のい人にございますもので、本所ほんじょ達磨横町だるまよこちょうに左官の長兵衞ちょうべえという人がございまして、二人前ふたりまえの仕事を致し、早くって手際が好くって、塵際ちりぎわなどもすっきりして
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どうぞわたしがないのちは、お前が一人で二人前ふたりまえの働きをして、殿様を大切に気を付け、忠義をつくして上げて下さい、そればかりがお願いだ、それに源助どんお前は病身だからからだ大切だいじいとって御奉公をし
兼「それじゃアたいの塩焼に鶏卵の汁を二人前ふたりまえくんねえ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)