主客しゆかく)” の例文
主客しゆかく五人は翁の机に対し半円形を作つて語つた。翁は鼠色のアルパカの軽い背広の上衣うはぎに黒いパンタロン穿き、レジヨン・ドノオル(勲一等)の赤い略章を襟に附けて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
食事しよくじんでから、主客しゆかくは又応接もどつて、はなしはじめたが、蝋燭ろうそくした様に、あたらしい方へは急に火が移りさうにも見えなかつた。梅子は立つて、ピヤノのふたけて
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
主客しゆかく静かに硝子ガラス戸棚の前を去る。再びかすかにちやるめらの音。
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)