中差なかざ)” の例文
金襴きんらんの帯が、どんなに似合ったことぞ、黒髪に鼈甲べっこうくしと、中差なかざしとの照りえたのが輝くばかりみずみずしく眺められたことぞ。
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
孫六は手早く甲胄かっちゅうをつけ、二十四差したる胡籙えびらを負い、重籐しげどうの弓を小脇に抱き、門の上なるやぐらへのぼり、中差なかざしとって打ちつがえ、狭間はざまの板八文字に押しひらき
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)