中屋なかや)” の例文
中屋なかやまっつあんなどはどうだらうといへば、兼吉はさびしくほほと笑ひ、あんまり未練がなさ過ぎるか知れませねど、腹にあるだけ言つてしまひたいのは私のくせ
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
結局彼がその間に無駄には見えぬ仕事をしたとすれば、それは東京に在る中央気象台の中屋なかや技師に宛てて長文の電報を発するよう、下宿のお内儀かみさんに依頼したことだけだった。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「またはなりますね……澤山たんとうなさい、中屋なかや小僧こぞうちまふから……」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けてまた人を遣り、あの竪樋たてどいの音に負けぬやうにと、三谷が得意の一中いっちゅう始まりて、日の暮るるをも知らざりけり、そもそも堀田原の中屋なかやといつぱ、ここらにはく知れ渡りたる競呉服せりごふくにて
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)