不幸福ふしあわせ)” の例文
けれど其先天的不具がかれの一生の上に非常に悲劇の材料と為つたのは事実で、人間と生れて、これほど不幸福ふしあわせなものは有るまい。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
にいさん、なにが幸福しあわせになり、なにが不幸福ふしあわせになるか、わかったものでありません。あれからわたしは、事業じぎょうおこして失敗しっぱいしました。
くわの怒った話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なにが幸福しあわせになり、なにが不幸福ふしあわせになるか、わかるものでありません。」といったおとうと言葉ことばが、いまさらあにあたまなかかんできました。
くわの怒った話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
時には、「とにかく不幸福ふしあわせといっても死んでこうして新聞に書かれれば光栄である」などと考えて、音ももなく生まれてきて死んでいく普通の多数の人々の上をも思いやった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
こうして夜ごとに客を迎うる不幸福ふしあわせな女に引きくらべて、こうして心のえ、肉のかわきをいやしに来た自分のあさましさを思って肩をそびやかした。くるわの通りをぞろぞろとひやかしの人々が通る。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
不幸福ふしあわせな人だった!」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)