上庸じょうよう)” の例文
「孟達の反心は歴然。なぜ拱手きょうしゅして見ているか。直ちに上庸じょうよう綿竹めんちくの兵をあげて、彼の不義を鳴らし、彼の首を討ち取るべし」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、上庸じょうよう申耽しんたんと、金城の申儀へその旨を早馬でいい送り、何月何日、軍議をさだめ即日大事の一挙に赴かん——と、つぶさにしめし合わせにやった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上庸じょうようにおられた時からいたく前非を悔い、孟達が魏へはしった後はなおさら慚愧ざんきにたえぬご容子であったそうです。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが大事は、露顕ろけんしたらしいが、射手のぜいは、多寡たかの知れた人数。しかも大将徐晃はただ一と矢に射止めた。蹴ちらす間には、やがて金城、上庸じょうようの援軍も来る。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なお、上庸じょうよう孟達もうたつが、漢中へ進攻してくる形勢ですが、彼は元来蜀の一将であり、詩書には明るく、義においては、お味方の李厳りげんとすこぶる心交のあった人物です。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしお聞き入れ下されば、このたび諸葛丞相が長安へ攻め入るとき、自分は新城、上庸じょうよう、金城の勢をあつめて、直ちに、洛陽を衝き、不日に魏国全土を崩壊させてお見せする。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上庸じょうようも陥ち、金城きんじょうくだった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)