トップ
>
丈艸
>
ぢやうさう
ふりがな文庫
“
丈艸
(
ぢやうさう
)” の例文
が、詩人芭蕉は又一面には「世渡り」にも長じてゐた。芭蕉の
塁
(
るゐ
)
を
摩
(
ま
)
した諸俳人、凡兆、
丈艸
(
ぢやうさう
)
、
惟然
(
ゐねん
)
等はいづれもこの点では芭蕉に
若
(
し
)
かない。
続芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その「枯野抄」といふ小説は、
芭蕉翁
(
ばせををう
)
の
臨終
(
りんじゆう
)
に会つた
弟子
(
でし
)
達、
其角
(
きかく
)
、
去来
(
きよらい
)
、
丈艸
(
ぢやうさう
)
などの心持を
描
(
ゑが
)
いたものである。
一つの作が出来上るまで:――「枯野抄」――「奉教人の死」――
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
丈艸
(
ぢやうさう
)
、
去来
(
きよらい
)
を召し、昨夜目のあはざるまま、ふと案じ入りて、
呑舟
(
どんしう
)
に書かせたり、おのおの咏じたまへ
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一々
惟然
(
ゐねん
)
吟声しければ、師
丈艸
(
ぢやうさう
)
が句を今一度と望みたまひて、丈艸でかされたり、いつ聞いてもさびしをり整ひたり、面白し面白しと、しは
嗄
(
が
)
れし声もて讃めたまひにけり。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
是等
(
これら
)
の句は
啻
(
ただ
)
に
寂
(
さ
)
びを得たと言ふばかりではない。一句一句変化に富んでゐることは作家たる力量を示すものである。
几董輩
(
きとうはい
)
の
丈艸
(
ぢやうさう
)
を
嗤
(
わら
)
つてゐるのは
僣越
(
せんゑつ
)
も
亦
(
また
)
甚しいと思ふ。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
法師じみた
丈艸
(
ぢやうさう
)
が、手くびに
菩提樹
(
ぼだいじゆ
)
の珠数をかけて、端然と控へてゐたが、隣に座を占めた
乙州
(
おつしう
)
の、絶えず鼻を
啜
(
すす
)
つてゐるのは、もうこみ上げて来る悲しさに、堪へられなくなつたからであらう。
枯野抄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
丈
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
艸
漢検1級
部首:⾋
6画
“丈艸”で始まる語句
丈艸集