万石まんごく)” の例文
旧字:萬石
頭という名はよいけれども、何回も唐箕とうみ万石まんごくを通して、最後にふるいの上になる屑籾のことなのである。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
万石まんごく積んでも肌一つ見せねえというんで、江戸ッ児にゃ気に入らねえお振舞いをなすったんですよ。
万石まんごく以上の面々ならびに交代寄合こうたいよりあい、参覲の年割ねんわり御猶予成し下されそうろうむね、去々戌年いぬどし仰せいだされ候ところ、深きおぼし召しもあらせられ候につき、向後こうご前々まえまえお定めの割合に相心得あいこころえ
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
剛七郎身長みのたけ六尺近く、有名なムッツリ屋、周防すおうの国は毛利左京亮もうりさきょうのすけ府中ふちゅう万石まんごく後足あとあしで砂をかけたという不忠の浪人——ナニ、変な洒落だ? とにかく、コイツ面倒臭いと思ったのだろう。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)