万暦まんれき)” の例文
このはなしだけでもかなり骨董好きは教えられるところがあろうが、談はまだ続くのである。それから年月を経て、万暦まんれきの末年頃、淮安わいあん杜九如ときゅうじょというものがあった。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
支那の万暦まんれき年中、毘陵びりょう猿曳さるひき乞児こじきがあって、日々一ぴきさるれて、街坊まちに往き、それに技をさして銭を貰っていたが、数年の後にその金が集まって五六両になった。
義猴記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
勿論こういうものは万暦まんれき天啓てんけいの赤絵に比べると落ちるが、とにかくこのべたに描いていて、それでいて好いのは偉いものだよ。渋いのは逃げ場がある。しかし派手なのは難かしい。
台湾の民芸について (新字新仮名) / 柳宗悦(著)