一落いちらく)” の例文
向うのみね、左右前後にすくすくとあるのが、一ツ一ツくちばしを向け、かしらもたげて、この一落いちらくの別天地、親仁おやじ下手しもてに控え、馬に面してたたずんだ月下の美女の姿を差覗さしのぞくがごとく
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここに摩利支天を安置し、これにかしずく山伏のすまえる寺院を中心とせる、一落いちらく山廓さんかくあり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)