一瓶ひとびん)” の例文
一瓶ひとびんの水と、数粒の豆が浮いてる貧しい一皿のしるとを、寝台のそばに置き、彼の鉄枷てつかせを調べ、鉄格子てつごうしをたたいて検査した。
「シャンパンもですね。一瓶ひとびん四円や五円のじゃよくないです。私の御馳走するのはそんな安いのじゃないですが、君一つ譜を作ってくれませんか」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
10 誰の紹介しょうかいであったか、父は、どれでも一瓶ひとびん拾銭の化粧水けしょうすいを仕入れて来た。青い瓶もあった。あかい瓶も、黄いろい瓶も、みな美しい姿をしていた。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
主人が渋い顔をして居るので、丸髷の婦人は急いで風呂敷包の土産物みやげものを取出し主人夫妻しゅじんふさいの前にならべた。葡萄液一瓶ひとびん、「醗酵はっこうしない真の葡萄汁ぶどうしるです」と男が註を入れた。あんずの缶詰が二個。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ここに一瓶ひとびん
ジブロットはジョリーとレーグルに謝意を表わして、食卓の上に葡萄酒ぶどうしゅ一瓶ひとびんを添えた。
テナルディエはその一瓶ひとびんをそこで手に入れて隠していた。