一捻ひとひね)” の例文
最初に鍵を差し込んで、もう一捻ひとひねりで棧が飛び出すと云う瀬戸際まで捻っておくんだ。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
岩の上に立った米友を下からうずを巻いて押し寄せた川越し人足、なにほどのこともない、取捉とっつかまえて一捻ひとひねりと素手すでで登って来るのをえいと突く。突かれて筋斗もんどり打って河原へ落ちる。つづいて
自分がおくれを取ったのは、つまり自分が力負けをしたものに過ぎない、不意を襲われたために、この小童こわっぱにしてやられたのだ、用心してかかりさえすれば、なんの一捻ひとひねりという気が先に立つのだから
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)