“タト”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:たと
語句割合
50.0%
50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乳母も、遠くなつた眼をすがめながら、タトへやうのない美しさと、づゝしりとした手あたりを、若い者のやうに楽しんでは、撫でまはして居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
白い骨、タトへば白玉の並んだ骨の指、其が何時イツまでも目に残つて居た。帷帳トバリは、元のまゝに垂れて居る。だが、白玉の指ばかりは細々と、其にカラんでゐるやうな気がする。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
南家の姫の美しい膚は、益々マスマス透きとほり、ウルんだ目は、愈々イヨイヨ大きく黒々と見えた。さうして、時々声に出してジユする経のモンが、物のタトへやうもなく、さやかに人の耳に響く。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
然リト雖モ其ノコレヲ吉原ニ比較スレバタトヘ大楼ト謂フ可キモ亦カノ半籬ニモ及ブ可カラズ。其ノ余ハ推シテ量ル可キナリ矣。
上野 (新字新仮名) / 永井荷風(著)