“もろそで”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:モロソデ
語句割合
両袖50.0%
諸袖50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
郎女は、しづかに両袖もろそでを胸のあたりに重ねて見た。家に居時よりは、れ、しわ立つてゐるが、小鳥のはねとはなつて居なかつた。手をあげて唇にさはつて見ると、喙でもなかつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
郎女は、しずかに両袖もろそでを、胸のあたりに重ねて見た。家に居た時よりは、れ、皺立しわだっているが、小鳥の羽には、なって居なかった。手をあげて唇に触れて見ると、喙でもなかった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
八蔵ぬっとつら差出し、こぶしに婦人をつかむ真似して、「汝、これだぞ、とめつくれば、連理引きに引かれたらむように、婦人は跳ね起きて打戦うちおののき、諸袖もろそでに顔を隠し、俯伏うつぶしになりて、「あれえ。」
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とたんに、異様な精気にふくらんだ武松の五体が眼をひいた。左右の諸袖もろそでをたくし上げ、内ぶところからは短剣の柄頭つかがしらをグイとみ出して、その鯉口こいぐちをぷッつり切った。——同時に、あッというまもない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)