“むかしかたぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
昔気質80.0%
昔堅気13.3%
旧気質2.2%
昔形気2.2%
昔氣質2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
耄碌もうろくしたと自分ではいいながら、若い時に亭主ていしゅに死に別れて立派に後家ごけを通して後ろ指一本さされなかった昔気質むかしかたぎのしっかり者だけに
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
サアおいでだというお先布令さきぶれがあると、昔堅気むかしかたぎの百姓たちが一同に炬火たいまつをふりらして、我先われさきと二里も三里も出揃でぞろって、お待受まちうけをするのです。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
御本宅は大勢様、奉公人も十人の上つかっておりましたが、新宅は旦那様に奥様、奉公人といえばじいさんが一人と、其処へ私が参りましたから、合せて四人暮。御本宅は旧気質むかしかたぎの土地風。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その居宅は田鶴見子爵の邸内に在りて、裏門より出入しゆつにゆうすべく、やかたの側面を負ひて、横長に三百坪ばかりを木槿垣もくげがきに取廻して、昔形気むかしかたぎの内にゆかしげに造成つくりなしたる二階建なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「あの人だちは、昔氣質むかしかたぎで心が穩やかだからですよ。あしこの老人としより夫婦なんか、そりやノンビリしてゐるの。……此間も、小さい子が居酒屋の飼犬に噛まれて、それが狂犬らしいと云ふのに、苦情も云つてゐないんです。」
水不足 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)