“みちゆきぶり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
道行振75.0%
道行触25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いずれも自分の親としてよい年輩の人々で、そのうちの一人は手製の東坡巾とうばきんといったようなものをかぶって、鼠紬ねずみつむぎ道行振みちゆきぶりているという打扮いでたちだから、だれが見ても漢詩の一つも作る人である。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
するといつの間にかうしろに立って居りました人の行装なりは、二十四ふしの深編笠を冠り、鼠無地の着物に同じ色の道行振みちゆきぶりを着て、木剣作りの小脇差をし、合切袋を肩に掛けて、余程旅慣れて居ると見え
ひげの長い、しゃ道行触みちゆきぶりを着た中爺ちゅうじいさんが、「ひどいですなあ」と云うと、隣の若い男が、「なに藪蚊やぶかですから、明りを附ける頃にはいなくなってしまいます」
百物語 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
道行触みちゆきぶりのおじさんが、「いや、これは御趣向」と云うと、傍にいた若い男が「湯灌ゆかんの盥と云う心持ですね」と注釈を加えた。すぐに跡から小形の手桶ておけ柄杓ひしゃくを投げ入れたのを持って出た。
百物語 (新字新仮名) / 森鴎外(著)