“みずご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嬰児33.3%
水子33.3%
碧児33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
直ちに二人ふたりの執達吏入りきたり、わずかばかりの所有品は、ベッドも、シャツも、着物もすべて差し押え、なお嬰児みずご揺床ゆりどこも、泣き悲しみつつそばに立ちいたる二人の娘のおもちゃも
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
……嬰児みずごのために乳母うばを雇うというがごときはもちろんできがたきことにてそうろうゆえ、わたしは胸やせなの絶えず恐るべき痛みを感ずるにかかわらず、自身の乳にて子供を育てることに決心いたし候。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
予はただ、水子みずごほどの怪しげなものが、幾つとなく群って、姫君の身のまわりにうごめいているのを眺めただけじゃ。が、それを見ると共に、夢の中ながら予は悲しゅうなって、声を惜まず泣き叫んだ。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
母親は額に汗をにじませながら、荒い鼻息の音をさせて、すかすかと乳をむさぼっている碧児みずごの顔を見入っていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)