“まえかけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
前掛95.2%
前懸4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女はたちまち帰り来りしが、前掛まえかけの下より現われて膳にのぼせし小鉢こばちには蜜漬みつづけ辣薑らっきょう少しられて、その臭気においはげしくわたれり。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
外から帰って来た平兵衛へいべえは、台所の方で何かやっていた妻を傍へ呼んだ。女は水でれた手を前掛まえかけで拭き拭きあがって来た。
水面に浮んだ女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「いいえ、」といいながら勇美子は立って、へやを横ぎり、床柱に黒塗の手提の採集筒と一所にある白金巾しろかなきん前懸まえかけを取って、襟へあてて、ふわふわと胸膝を包んだ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)