“ぼくちょく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
朴直75.0%
樸直25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朴直ぼくちょくなひとに有りがちの単純さで、話すうちにおたかはまた庄吉への同情を激しくそそられたらしい、口ぶりにも顔つきもさっきのうちとけた色はなくなって
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
朴直ぼくちょくそうな六十おやじは、湖岸から半道あまりをけつけて来た禿げ頭の汗を押しぬぐいつつ、悔やみを述べる。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
栄玄は樸直ぼくちょくな人であったが、往々性癖のために言行の規矩きくゆるを見た。かつて八文の煮豆を買って鼠不入ねずみいらずの中に蔵し、しばしばその存否を検したことがある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
同行者は松本甲子蔵きねぞうであった。甲子蔵は後に忠章ちゅうしょうと改称した。父を庄兵衛しょうべえといって、もと比良野貞固さだかたの父文蔵の若党であった。文蔵はその樸直ぼくちょくなのを愛して、津軽家にすすめて足軽あしがるにしてもらった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)