“ひじつき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
肘突33.3%
肱附22.2%
肱突22.2%
肘衝11.1%
肱座11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その上には青い織物きれが掛けてもあるし、肘突ひじつきなんかもあるし、腰掛には空気枕のようなやつが付いてて、所長の留守に一寸乗って見ると——ぷくぷくしていて、工合のいいことと言ったら。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
思わず、そこへ、日向にのぼせた赤い顔の皺面しわづらで、鼻筋の通ったのを、まともに、のしかかって、ハタとける、と、さっと映るは真紅の肱附ひじつき
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「糸公か。あいつは、から赤児ねんねだね。しかし兄思いだよ。狐の袖無ちゃんちゃんを縫ってくれたり、なんかしてね。あいつは、あれで裁縫が上手なんだぜ。どうだ肱突ひじつきでもこしらえてもらってやろうか」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そんならと云って、小切れで肘衝ひじつきでも縫って上げたら、岡田さんにはおぼこ娘の恋のようで可笑おかしいと思われよう。どうも思附おもいつきが無い。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
金縁の目金めがねを掛けたる五ツ紋の年少わか紳士、襟を正しゅうして第三区の店頭みせさきに立ちて、肱座ひじつきに眼を着くれば、照子すかさず嬌態しなをして
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)