肱附ひじつき)” の例文
すると、書斎の机の上に、忘れな草のフランス刺繍ししゅうをした肱附ひじつきが置いてあった。白と茶と緑との配合が美しくあざやかであった。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
思わず、そこへ、日向にのぼせた赤い顔の皺面しわづらで、鼻筋の通ったのを、まともに、のしかかって、ハタとける、と、さっと映るは真紅の肱附ひじつき
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ねぇ、村川さん! でも、わたしが肱附ひじつきやクッションを上げたのを知っていたのでしょう。あれで、わたしの心がわかったでしょう。」
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「おやジレットがあるわ。リームツマの箱が三つもあるわ。なまいきねぇ。金口なんか吸って。おや肱附ひじつきがあるわ。これあなたが、こさえてあげたのじゃない?」
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)