“とうす”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
刀子60.0%
橙酢40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見ると東坡巾先生は瓢も玉盃も腰にしてしまって、懐中ふところの紙入から弾機ばねの無い西洋ナイフのような総真鍮製そうしんちゅうせいの物を取出して、を引出して真直まっすぐにして少しもどすと手丈夫てじょうぶな真鍮の刀子とうすになった。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
若い女は壁に懸けた刀子とうすへ手をかけるや否や、素早く彼の胸をそうとした。が、彼は片手をふるって、一打にその刀子を打ち落した。女はさらにつるぎを抜いて、執念しゅうねく彼を襲って来た。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
白焼きの橙酢とうす、から揚げ、ふらい、椀種、味噌田楽。何にしてもおいしい。チリ鍋にしようものなら思わず晩酌を過ごす。
榛名湖の公魚釣り (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
食べるとき、醤油のなかへ橙酢とうすか姫柚子ゆずの一滴を落とせば、素晴らしく味が結構となるのだ。また一夜、一塩に漬けて置いた鰡を、翌日風干しに干して、焼いて食べると、甚だいける。
蜻蛉返り (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)