“とうぐわ”の漢字の書き方と例文
語句割合
唐鍬100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けらを着た百姓ひゃくしょうたちが、山刀なた三本鍬さんぼんぐわ唐鍬とうぐわや、すべて山と野原の武器をかたくからだにしばりつけて、東のかどばった燧石ひうちいしの山をえて、のっしのっしと
狼森と笊森、盗森 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
自慢の重い唐鍬とうぐわを振り上げ振り下ろしながら、四年前に、——この村にいたのでは、何時いつまで経ってもうだつがあがらないから、どこか、遠くへ行って、一辛抱ひとしんぼうして
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「ほだなあ、にしいだ頃から見れば、坪あだり五厘ずつあがったがら、七十五銭ぐらいにはなんのさな。天気がよくて、唐鍬とうぐわせえ持って出れば、十六七坪はおごすから。」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
そして納屋なやから唐鍬とうぐわを持ち出してぽくりぽくりとしばを起して杉苗を植える穴をりはじめました。
虔十公園林 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
飯を炊きに帰った養吉が、「あんつあんが帰って来たぞう!」と叫びながら駈けて来たので、梅三爺は唐鍬とうぐわかついで、よこらよこらと自分の小屋へ帰って来たのであった。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
みんなは、今年も野原を起して、畠をひろげていましたので、その朝も仕事に出ようとして農具をさがしますと、どこのうちにも山刀なた三本鍬さんぼんぐわ唐鍬とうぐわも一つもありませんでした。
狼森と笊森、盗森 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)