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つじどう
翌日は
吉野路を通って、
五条橋本など云う処を
経てその
夜は
籠の
鳥と云う山の
辻堂で一泊し、十日になって
紀州路から
泉州の
牛滝と云う処へ越え、それから
葛城山へ往った。
拠無く夕方から徒歩で
大坂まで
出掛る途中、
西の
宮と
尼が
崎の
間だで非常に
草臥れ、
辻堂の
椽側に腰を
掛て休息していると、脇の細道の方から
戛々と音をさせて何か来る者がある
ひるまは歩いてゆき、夜は
辻堂の中や、家の
軒端や、
藁づみのかげで眠つた。