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ちくまかは
我国の鮏は初秋より北海を
出て
千曲川と
阿加川の
両大河に
泝る、これ其子を
産んとて也。
女魚に
男魚随てのぼる。
泝る事およそ五十余里、河に
在事およそ五か月あまり也。
我が
友信州の人のかたりしは、同じ所の人
千曲川へ夏の
夜釣に
行しに、人の三人もをるべきほどのをりよき
岩水より
半いでたるあり、よき
釣場なりとてこれにのぼりてつりをたれてゐたりしに
総滝とは
新潟の
湊より四十余里の川上、
千隈川のほとり
割野村にちかき所の
流にあり。
信濃の
丹波島より
新潟までを流るゝ
間に
流の
滝をなすはこゝのみなり。