“ぞうさく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
造作79.4%
雑作20.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主人は近所の工場こうじょうか何かへつとめに行った留守るすだったと見え、造作ぞうさくの悪い家の中には赤児あかご乳房ちぶさを含ませた細君、——彼の妹のほかに人かげはなかった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ここは地方から出て来た商売用の客を接待する座敷であるらしく、床の間、ちがい棚の造作ぞうさくもなかなか整っていた。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
同時にその顔——何も考えていない、全く落ちつき払ったその顔が、大変気高く見える。眼が下っていても、鼻が低くっても、雑作ぞうさくはどうあろうとも、非常に気高く見える。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何時自分が東京を去ったか、何処いずこを指して出たか、何人なにびとも知らない、母にも手紙一つ出さず、建前が済んで内部うち雑作ぞうさくも半ば出来上った新築校舎にすら一べつもくれないで夜ひそかに迷い出たのである。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)