“そてい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蘇堤28.6%
措定14.3%
蘇定14.3%
楚提14.3%
蘇提14.3%
蘇隄14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東南の湖縁の雷峯塔のあるあたりには霧がかかって、その霧の中に塔が浮んだようになっていた。その霧はまだ東に流れて蘇堤そていをぼかしていた。眼の下の孤山は燻銀いぶしぎんのくすんだ線を見せていた。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「いき」の質料因と形相因とが、化粧を施すという媚態の言表と、その化粧を暗示にとどめるという理想性の措定そていとに表われている。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
およそ意識現象としての「いき」は、異性に対する二元的措定そていとしての媚態が、理想主義的非現実性によって完成されたものであった。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
その曾頭市そうとうしは曾一家の勢力で私領化され、ほとんど全市一大要塞をなし、武術師範の史文恭しぶんきょうをかしらに、曾塗そうと蘇定そてい、曾密、曾索そうさく曾魁そうかいなどの一族でかためられ、じつに苦戦は苦戦だったが
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほかに史文恭しぶんきょうという兵法家、蘇定そていという武術の師範まで召抱えて、曾頭市四千戸の街そのものが、いつでも曾家のほりを中心に、全市一つの要塞化となるような組織にもなっているとのことだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お眺めなさいませ、楚提そていが長くつらなっているのが見えます
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
湖の左手には、まゆずみをグッとひきのばしたように、蘇提そてい延々えんえんと続いていた。ややその右によって宝石山ほうせきざんの姿がくっきりと盛上り、保叔塔ほしゅくとうらしい影が、天をしていた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ある時、一人の船頭があって蘇隄そていに舟がかりをしていた。夏の暑い盛りで睡られないので、起きあがって窓の所に顔をやり、見るともなしに舟の著いているかわらの水際の方へ眼をやった。
緑衣人伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)