“じゅんぼく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
淳朴41.3%
純朴21.7%
醇朴21.7%
淳樸6.5%
純樸4.3%
惇樸2.2%
諄朴2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
農村は淳朴じゅんぼくだという奇妙な言葉が無反省に使用せられてきたものだが、元来農村はその成立の始めから淳朴などという性格はなかった。
続堕落論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
お座敷も殊勝に敏捷びんしょうにしていたので倉持にもそこいらの芸者から受ける印象とは一風ちがった純朴じゅんぼくなものがあった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
わたくしをして、う思わせるだけでも、銀座や上野あたりの広いカフエーに長年働いている女給などに比較したなら、お雪の如きは正直とも醇朴じゅんぼくとも言える。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
国もの同志で国詞を使うのは、もとより当然である。しかし𣵀麻が二枚の舌を使うのは、その為めばかりではないらしい。彼は上役の前で淳樸じゅんぼくを装うために国詞を使うのではあるまいか。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
捨て身になって、彼と三平とが、土民たちを痛めつけるほど、純樸じゅんぼくは、野性に返る。兇暴になり、盲目的になって
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もし山人にも土地によって、気風に相異があるものとすれば、南九州の山中に住む者などは、とりわけ人情が惇樸じゅんぼくでかつ無智であったように思われるからである。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
あるときに、ひろ子を殆ど涙ぐませるのは、その共感に応える重吉の態度の諄朴じゅんぼくさと、普通にない世馴れなさであった。
風知草 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)