“さいかち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サイカチ
語句割合
皀莢53.8%
皁莢15.4%
7.7%
皀角子7.7%
皁角子7.7%
西海子7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれは皀莢さいかち小路の家へはゆかず、馬喰ばくろ町の宿屋へ草鞋わらじをぬぎ、そこから大助に手紙を持たせてやった。風呂を浴びて、夕食のはしを手にしたところへ大助は来た。
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「さあ」と蔵人は渋面じゅうめんを作り、「特効薬は目付からない。大黄だいおう皁莢さいかち白牽子はくけんし鬱金うこん黄蓮おうれん呉茱ごすの六種、細抹にして早旦そうたんに飲む。今のところではこんなものだ。だがそのうち目付かるだろう。 ...
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ゐるな と思つて竹藪の入口までいつても垣ひとへ向ふにはお寺の銀杏の木がまつ黒に立つてるし、竹のあひだには椿や皀角子さいかちがごちやごちやに繁つていやにうす暗い。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
ふるいかけたような細かい日差しが向うにポツネンと立っている皁角子さいかちの大木に絡みつき、茶色に大きい実は、さやのうちで乾いた種子をカラカラ、カラカラと風が渡る毎に侘しげに鳴りわたる。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
月夜野橋から上流には西海子さいかち前、長どぶ、病院裏、地獄などの釣り場があるが、地獄の滝も凄寒そうかんを催す眺めである。
利根の尺鮎 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)