“こちゆう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
湖中40.0%
壺中20.0%
孤忠20.0%
籠中20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
友人いうじんこれをみたるをきゝしに、かの西遊記にしるしたるつくしのしらぬ火とおなじさまなり。近年湖水こすゐを北海へおとし新田となりしゆゑ、湖中こちゆうの万とうも今は人家じんか億燈おくとうとなれり。
其小なるや、管見の小世態を寫すに止まれど、其大なるや、能く造化を壺中こちゆうに縮めて、とこしなへに不言の救世主たらむ。其状猶邊なき蒼海さうかいのごとく、彌大にして彌茫々ばう/\たり。又猶底知らぬ湖のごとし。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
ひとへにこの君を奉じて孤忠こちゆうを全うし、美と富との勝負を唯一戦に決して、紳士の憎きつらの皮を引剥ひきむかん、と手薬煉てぐすね引いて待ちかけたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
次の月曜日にはフラミニアこそ歸り來べけれと、老公宣給のたまひぬ。この詞はあやしく我情を動して、その人と成りしさまの見まほしさはよの常ならざりき。想ふに小尼公も亦我と同じき籠中こちゆうの鳥なり。