“こくら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小倉92.4%
木暗3.8%
木闇1.3%
穀蓏1.3%
黒裸1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暑い木陰のない路を歩いてきて、ここで汗になった詰襟つめえり小倉こくらの夏服をぬいで、瓜をった時のうまかったことを清三は覚えている。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
冷え冷えと青い木暗こくらがりをつつむ広大な城戸きどの内は、鑁阿寺ばんなじの七堂伽藍がらんをもあわせて、裏山にまで屋形の屋根を望ませていた。いうまでもなく足利党の宗家、足利貞氏の本拠だった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……なぞと詰まらない反感を起しながら門の前を通り過ぎようとしているところへ、その鬱蒼たる樫の木闇こくらがりの奥から聞こえたのが今の呼声だ。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
春生じ、夏長じ、秋自ら後に傳はるの子を遺し、冬自ら生活の閉止を現はすのが、穀蓏こくらの多數が示すところの、四季の影響である。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
彼は竹籠の中へもどって銅鈴すずを鳴らした。スルスルスルスル。えいや、えいや。上へあがるやいな彼はあたりへ向って黒裸こくらの両手をちゅうへ振ッて報告した。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)