“こくしょく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黒色66.7%
国色33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
深い擦過傷が所々しょしょに喰い込み、労働服の背中にはまだ柔い黒色こくしょくの機械油が、引き裂かれた上着の下のジャケットのあたりまで、引っこすった様にべっとりと染み込んでいる。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
灯火管制の用意に黒色こくしょく電灯カバーを作ったり、押入おしいれを改造して、防毒室を設けたり、配電所に特別のスイッチをもうけたりして、骨身をおしまないのは、感心にたえなかった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
親子、国色こくしょく、東京のもの、と辰弥は胸に繰り返しつつ浴場へと行きぬ。あとより来るは布袋殿なり。上手かみてに一つ新しくしつらえたる浴室の、右と左のひらとびらを引き開けて、二人はひとしくうちに入りぬ。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
喬生は月のひかりでうかがうと、女はまことに国色こくしょく(国内随一の美人)ともいうべき美人であるので、神魂飄蕩しんこんひょうとう、われにもあらず浮かれ出して、そのあとを追ってゆくと、女もやがてそれをさとったらしく
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)