“こきでん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
弘徽殿94.7%
孤徽殿5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことしの五月雨さみだれ頃だった。弘徽殿こきでん更衣こういづきの、さる女官が、藤壺のひとつのうす暗い小部屋で、ひとりの官人と、ひそか事をたのしんでいた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また花山法皇は御年十八歳のとき最愛の女御弘徽殿こきでんの死にあわれ、青春失恋の深き傷みより翌年出家せられ、花山寺にて終生堅固な仏教求道者として過ごさせられた。
人生における離合について (新字新仮名) / 倉田百三(著)
いま廿日はつかつきおもかげかすんで、さしのぼには木立こだちおぼろおぼろとくらく、たりや孤徽殿こきでん細殿口ほそどのぐちさとしためにはくものもなきときぞかし。
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)