“かをる”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
66.7%
33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それからずつと素人しろうとになつて母と二人で、前から関係のある兜町かぶとちやうの男から、時々支給を仰ぎながら細々暮らしてゐた古い商売友達のかをるが、浅草のカフヱに出てゐて
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
御髮みぐしはいとこちたうもあらぬほどにうちやられたる、枕よりおちたるきはの、つやつやと」した宇治の姫君が愛人のかをるの君たちにみとられながら、遂に息を引きとつてしまふ。
黒髪山 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
義雄は、弟のかをるきりの火葬場へ行くつもりで、直ぐ支度をして來いと云ふ使ひを出してから、先づ知春の室に行つた。
故人井上かをる侯が素晴しい癇癪持だつた事は名高い事実だ。故人は自分でもよくそれをわきまへてゐて、自分の都合の悪い時には、滅多に癇癪を起さなかつたからなほ始末に困つた。