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おんすみつき
宿し奉りし處
御部屋住の
儀成ば後々召出さるべしとの御約束にて
夫迄は何れへ成とも身を
寄時節を待べしとの上意にて
御墨附御短刀を
明て内より
白木の
箱と
黒塗の箱とを取出し伊賀亮が
前へ差出す時に伊賀亮は天一坊に
默禮し
恭しく
件の
箱の
紐を
解中より
御墨附と御
短刀とを
先年自分に下されしなり大切の品なれども
其方の
願も
點止し難ければ
遣はすなりと
御墨付を添て
件の短刀をぞ
賜はりける其お
墨付には