“えんざん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
塩山57.1%
遠山28.6%
叡山4.8%
遠竄4.8%
鉛槧4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「行って見給え、江戸からのお客というのを途中で迎えて、それを案内してあの辺の名所を見物し、その帰りに塩山えんざんの湯にでもつかってみるも一興であろう」
つくづく見て居るにその趣向は極めて平凡なれどその結構布置善く整ひ崖樹がいじゅ遠山えんざんとの組合せの具合など凡筆にあらず。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
作兵衛は、松明たいまつを持って、ふたりを叡山えんざんの近くまで送った。そして別れ際に、自分も、もうあの住み馴れた山にもおられなくなったと言って、老いの眼をうるませた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上杉憲実うえすぎのりざね遯世とんせいして遠竄えんざんせしを、主人持氏もちうじを非業に死なせた報いと噂するを聞いて、われまた以てしかりとなすと言った。
書肆しょし一誠堂編輯へんしゅう部其他に勤務したが、永く其職に居ず、晩年はもっぱ鉛槧えんざんに従事したが、これさえ多くは失敗に終った。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)