“いんぽん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
淫奔68.2%
院本18.2%
婬奔4.5%
淫本4.5%
淫犯4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことに、お蝶の母親が、淫奔いんぽん囚徒しゅうとの後家さんであったことも、今となって、二官に慄然りつぜんとする因果を想わせて来ます。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二葉亭も院本いんぽんや小説に沈潜して好んで馬琴ばきん近松ちかまつの真似をしたが、根が漢学育ちで国文よりはむしろ漢文を喜び、かつ深く露西亜文にしたしんでいたから
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
このお説が出た以上はもうけものみたいだとか婬奔いんぽんだなんて云われる心配はありませんわねえ、若旦那、あたしたちも堕村だむら式でいきましょうよう
かくて元禄文化の華やかなる色若衆やら音曲やら猥画わいが淫本いんぽんそのままな世代が、夜は夜の灯となって燃え、昼は昼で、“世の中は金、一にも金、二にも金”と、金を追いまわすちまたの眼色で——。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし大仏鋳造のころ、僧尼の激増した時期を境として、漸次、新しい気風が生まれ、一種のデカダンが発生するに至ったことも推測せられる。僧尼の淫犯いんぽんを警むる訓令は延暦えんりゃくごろから現われ始めた。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)