“いなかみち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
田舎道77.1%
田舎路22.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
梅雨つゆ上がりの、田舎道いなかみちがまの子が、踏みつぶさねば歩けないほど出るのと同じように、沢山出ているはずの帆船や漁船は一そうもいなかった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
ある夏の日、笠をかぶった僧が二人ふたり朝鮮ちょうせん平安南道へいあんなんどう竜岡郡りゅうこうぐん桐隅里とうぐうり田舎道いなかみちを歩いていた。この二人はただの雲水うんすいではない。
金将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私は七つか八つの子供であったし、おまけに幼い時分から極めて臆病おくびょうな少年であったから、こんな夜更よふけにこんなさびしい田舎路いなかみちを独りで歩くのは随分心細かった。
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
小さな鈴は歩くたびに、雄二のポケットのなかで、かすかな響をたてていました。遠足の列は街を通り抜け、白い田舎路いなかみちを歩いて行きました。綺麗きれいな小川や山が見えて来ました。
誕生日 (新字新仮名) / 原民喜(著)