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いでいり
阿部家は
尋で文政九年八月に
代替となって、伊予守
正寧が
封を
襲いだから、蘭軒は正寧の世になった
後、
足掛四年阿部家の
館に
出入した。
人の家に
出入する、まめやかなる
侏儒の
渋江の家に
出入する中で、職人には
飾屋長八というものがあり、商人には
鮓屋久次郎というものがあった。
近習医に任ぜられてからは、
詰所に
出入するに、
朝には人に先んじて
往き、
夕には人に後れて
反った。そして公退後には士庶の病人に接して、
絶て
倦む色がなかった。
当時品川に住んでゐて、町役場に
出入する一知人がわたくしに書を寄せた。