“いぐち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
欠唇42.9%
欠口14.3%
為愚痴14.3%
猪口茸14.3%
羊肚茸14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
姫たち顔見合せて、「また欠唇いぐちのをこなるわざしけるよ。」とささやくほどに、なる笛の音絶えぬ。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
晴衣はれぎ亘長ゆきたけを気にしてのお勢のじれこみがお政の肝癪かんしゃくと成て、廻りの髪結の来ようの遅いのがお鍋の落度となり、究竟はては万古の茶瓶きゅうすが生れも付かぬ欠口いぐちになるやら、架棚たな擂鉢すりばち独手ひとりで駈出かけだすやら
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
寛文二年板『為愚痴いぐち物語』六に秀吉公の時、千石少弐なる人
と言つてして見せたのが、雨につやを帯びた、猪口茸いぐちに似た、ぶくりとしたきのこであつた。
雨ばけ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
坊主様ぼんさまも尼様も交ってよ、尼は大勢、びしょびしょびしょびしょと湿った所を、坊主様は、すたすたすたすた乾いた土をく。湿地茸しめじたけ木茸きくらげ針茸はりたけ革茸こうたけ羊肚茸いぐち白茸しろたけ、やあ、一杯だ一杯だ。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)