“いかだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イカダ
語句割合
94.7%
3.1%
0.8%
流筏0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(左様だ、今頃は弥六親仁やろくおやじがいつものとおりいかだを流して来て、あの、船のそばいで通りすがりに、父上ちゃんに声をかけてくれる時分だ、)
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかと認めがたけれど大抵青大将という蛇に似たり、この蛇水中にて人の手足をまとえど捕り殺す事を聞かず。また出羽最上川に薄黒くしてひらたき小蛇あり、いかだに附いて人を捕り殺すという。
ところが、上陸するとその姿は見えず、その夜上ったいかだの裏側には、胴体だけの女の屍体がくくりつけてあったというじゃありませんか。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それは、板戸のようないかだであったが、表面には、まだ呼吸のある、二人の嬰児が結わい付けられてあった。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
地勢は急峻きふしゆんで、流筏いかだの便のある河川に乏しく、只、樹木を伐るだけでは、開発しても容易に持ち運びは出来ないらしい。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
北信州の田舎ゐなかに出掛けて、杉材の仕入れにかゝりたかつたのだが、知人の資金関係が仲々うまくゆかなかつたし、木材の流筏いかだが、山からの荷出しには、相当の困難だつたので
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
いかだに乗って東の海に遊ばんとか、または東海を踏んで死すあらんのみとか、なかば無意識にもこれを口にする人が多かったのは、必ずしも東だけに海をもった大陸の、経験とも言われぬように思う。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)