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者
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もん
ふりがな文庫
“
者
(
もん
)” の例文
母「はい、お前方も
旧
(
ふり
)
い馴染でがんしたけんども、今度が別れになります、はい有難うござえます、多助や誰か
若
(
わけ
)
え
者
(
もん
)
が大勢来たよ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それに
余程
(
よつぽど
)
の気紛れ
者
(
もん
)
でね。稼ぎ出すと鼻唄をやり乍ら滅法稼いでるが、怠け出したら一日
主婦
(
おかみ
)
に怒鳴られ通しでも平気なもんだ。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「フウム。これは感心した。日本中で鯨の事を本格に知っとる
者
(
もん
)
なら私一人かと思っておったが、アンタもいくらか知っとるなあ」
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「あのがんこ
者
(
もん
)
の
親父
(
おやじ
)
が
死
(
し
)
ねば、
息子
(
むすこ
)
が
井戸
(
いど
)
を
掘
(
ほ
)
らせてくれるそうだがのオ。だが、ありゃ、もう二、三
日
(
にち
)
で
死
(
し
)
ぬからええて。」
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
受付で
刎
(
は
)
ねられたら、法が附かん。おれたちの家くらいなら、どこからでも入りこんで、逢いたい
者
(
もん
)
に面会出来るとじゃが、……
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
▼ もっと見る
「お叱んなさるも、あれの身の為めだから、いいけれども、只まだ
婚嫁前
(
よめいりまえ
)
の
事
(
こっ
)
てすから、あんな
者
(
もん
)
でもね、
余
(
あんま
)
り
身体
(
からだ
)
に
疵
(
きず
)
の……」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「おばあが気まま
者
(
もん
)
でなあ、
団子
(
だんご
)
が腹いっぱい食いたかったり、
飯
(
まま
)
を二杯で辛抱ができなんだりしたんじゃ。おばあは若い時大飯食いでなあ」
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
小説書きなんですって、文士って駄目ね、浮気
者
(
もん
)
が多くって、貴方、文士だったら御免なさい、と答えました。
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
「高間さんと云ふと、——ふむ、そんなら、わしとこの
者
(
もん
)
が度々御厄介になつとる先生ですかな」
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
「
違
(
ちげえ
)
ねえ、俺ァ辰さんよか年の十も下だンべが、
何糞
(
なにくそ
)
ッ若け
者
(
もん
)
に負けるもンかってやり出しても、第一
息
(
いき
)
がつゞかんからナ」と
岩畳
(
がんじょう
)
づくりの与右衛門さんが
相槌
(
あいづち
)
をうつ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「余の
者
(
もん
)
がこすったんじゃア、
蠅
(
はえ
)
がすべってるほどにも感じねえというんで、こちとら真っ赤になってフウフウいって流すんだが、イヤまったく
巌
(
いわ
)
みてえなからだだよ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
大下組が街の
顔役
(
かおやく
)
とか、親方とかいう
一聯
(
いちれん
)
の徒党に対する政府の解散命令を
喰
(
くら
)
ってから、組の若い
者
(
もん
)
から、
三下
(
さんした
)
のちんぴらに至るまで
総
(
すべ
)
てが足を洗う様に余儀なくされた。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
町の
者
(
もん
)
だから松茸狩りなぞ面白がるだらうと思つて、本人もさう云ふもんだから、しかしわしらはとんと根太は知らんし、折角遠くから來たものを失望させてはと思つたので
生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
いまでも、栄養不良の
者
(
もん
)
は肝油たらいうてやっぱり油飲むやおまへんか。それ考えたら、石油が肺に効くいうたことぐらいは、ちゃんと分りまっしゃないか。なにが迷信や、阿呆らしい
秋深き
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「だって、
他
(
ほか
)
の
者
(
もん
)
なら
可
(
い
)
いけれど、芳さんにばかりは奥様ッて謂われると、何だか他人がましいので、
頼母
(
たのも
)
しくなくなるわ。せめて「お貞さん」とでも謂っておくれだと嬉しいけれど。」
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「能登へ行つたかて、お母さん居らへんし、
妾等
(
わてら
)
は京の
者
(
もん
)
になろえな。」
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
「お
前
(
めへ
)
は何だ? 何処の
者
(
もん
)
だ?
此様
(
こん
)
な帽子を誰に
拵
(
こせ
)
へて貰つた?」
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
「
私
(
わし
)
かね。私は大屋の
者
(
もん
)
ですが、
爰
(
ここ
)
の登記役場の書記に出ていやすよ。私も海の口へはまだ引越して来たばかりで。これからは
何卒
(
どうか
)
まあ君等にも御心易くして
貰
(
もら
)
わにゃならん——さ、一杯
献
(
あ
)
げやしょう」
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「手伝った東京
者
(
もん
)
に、これをくれてやるべえ。」
月明
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
九州
者
(
もん
)
な横道
者
(
もん
)
青竹割つて
兵児
(
へこ
)
にかく
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
元気
者
(
もん
)
の腕を見ろ! なあ婆さんや
飢えたる百姓達
(新字新仮名)
/
今野大力
(著)
「村の奴などは何とでも勝手に言はせて置くが好い。世の中は広いのだから、何も村に居なければならねえと言ふのでもねえ、男と生れたからにや、東京にでも出て一旗挙げて来る様で無けりや、話にも何にも
為
(
な
)
らねえと言ふ
者
(
もん
)
だ……」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
殊に
外
(
ほか
)
の
者
(
もん
)
が
媒妁
(
なこうど
)
をするのと違って、此の名主が媒妁をするのだから、礼の
一言
(
ひとこと
)
も言わしなければならねえのに、何ういう訳で
汝
(
わりゃ
)
ア拒むな
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
だからお勢みたようなこんな親不孝な
者
(
もん
)
でもそう何時までもお
懐中
(
ぽっぽ
)
で
遊
(
あす
)
ばせても
置
(
おけ
)
ないと思うと私は苦労で苦労でならないから、
此間
(
こないだ
)
も
私
(
あたし
)
がネ
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その九市が、また、碌な
者
(
もん
)
じゃなか。若い癖して、鬼高利貸になって、こいつも、親父に
倣
(
なろ
)
うて、妾を持っちょるちゅう話じゃ。なんでもよか。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
それに連れて「やっぱり親身の
者
(
もん
)
でないとなあ」とか「仏も仕合わせたい」とか近廻りの者が噂し初めた。
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「うらウオロコウ※ツキの
者
(
もん
)
だがね……」とまだ
面
(
めん
)
を
喰
(
く
)
つてゐる。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
俺あ丹下左膳てえ
者
(
もん
)
だ(発端篇)
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
俺らあ若い元気
者
(
もん
)
だ!
飢えたる百姓達
(新字新仮名)
/
今野大力
(著)
多「なにあんた、そんなに年イ取った/\といわなえがいゝ、
若
(
わけ
)
え
者
(
もん
)
でも寒いだ、
何
(
なん
)
だかハア雪イ降るばいと思う様に空ア雲って
参
(
めえ
)
りました」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「玉井君、君は、「竹の家」の
辻木惣八
(
つじきそうはち
)
は、よう知っとるじゃろ? 君もなんぼか、浄瑠璃を語るし、義太夫をやる
者
(
もん
)
で、辻木を知らん者はない。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
貴君
(
あなた
)
どうして今時高利貸したッて月三十五円取ろうと言うなア容易な
事
(
こっ
)
ちゃア有りませんヨ……三十五円……どうしても働らき
者
(
もん
)
は違ッたもんだネー。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
出されたら承知しませんよ。モトモトあの小僧は
甲板組
(
デッキ
)
の
者
(
もん
)
ですからね
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「何処の
者
(
もん
)
だツてば?」
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
太「はい有難う、誠にまアどうも
明日
(
あした
)
立つだって、魂消て来たでがんす、どうもこれ名残い惜くって渡口まで送るという
者
(
もん
)
が沢山ござえます」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そりゃあね、
稀
(
たま
)
には旦那のような優しい親切なお方も有りますけど、どうせ
私
(
あたし
)
のような
者
(
もん
)
の相手になる者ですもの、
皆
(
みんな
)
其様
(
そん
)
な薄情な碌でなしばかしですわ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
親父の
帰
(
けえ
)
らぬうちは嫁にも
行
(
い
)
かぬ聟も取らぬ、元服もしねえ、親父に聴かねえうちにしては済まぬてえ
彼
(
あ
)
れは変り
者
(
もん
)
でげす、いけませんよ、へえ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
傳「から何うも仕様がねえ変り
者
(
もん
)
でげすな、お
前
(
めえ
)
さんの云う通り
白髪
(
しらが
)
の島田はないからねえ、何うも仕様がないね何うも」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
永「何う
為
(
し
)
よったじゃア、
深更
(
しんこう
)
になってまア其の跣足で、そないな
姿
(
なり
)
で
此処
(
こゝ
)
へ来ると云う事が有るかな、困った
者
(
もん
)
じゃア、此処へ来い、何うした」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あ……夢かア、おや/\
盲人
(
めくら
)
てえものは
妙
(
めう
)
な
者
(
もん
)
だなア、
寐
(
ね
)
てゐる
中
(
うち
)
には
種々
(
いろ/\
)
のものが見えたが、
眼
(
め
)
が
醒
(
さ
)
めたら
何
(
なに
)
も見えない。……
心眼
(
しんがん
)
と
云
(
い
)
ふお話でございます。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
己に親孝行な娘が一人有っての、今年十七になるお久てえ
者
(
もん
)
だが、今日吉原の角海老へ
駆込
(
かっこ
)
んでって、親父が行立ちませんから何うか私の身体を買っておくんなさい
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ぞんぜえ
者
(
もん
)
だから……安兄い
此処
(
こけ
)
え来ねえ、此の人がソノ、万年町の岡本という刀屋の
番頭
(
ばんつ
)
さんで此の芝のお出入り屋敷へ……重さん何とかいう屋敷だっけ、ウン金森さ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何をたって連藏さんとは心安い
者
(
もん
)
で、
茸
(
きのこ
)
を
些
(
ちっ
)
とばかり採ったから商売の種に遣りてえと思って持って来て、縁側で一服
喫
(
や
)
って居ると、向うの離座敷で暴れ廻る客があるだ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
若い
者
(
もん
)
じゃア婆さんも油断はしめえが、
此方
(
こっち
)
は最う四十の坂を越えて居るから安心するだろう
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
幸「内輪の
者
(
もん
)
には
違
(
ちげ
)
えねいが、どうも只今も申す通り、どうも其の御領主様の、どうもその」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
マ幾らか官職を帯びて
居
(
お
)
る
者
(
もん
)
じゃ、亭主の留守には宅に居る下男といえども、家内と席を
倶
(
とも
)
にせんと云うのが
女子
(
おなご
)
の道じゃ、
然
(
そ
)
うなければ家事不取締の
譏
(
そしり
)
は免がれん事じゃ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
宅
(
うち
)
の
者
(
もん
)
に
心配
(
しんぺえ
)
を掛けて本当に困るじゃアねえか、
阿母
(
おっか
)
アはお
前
(
めえ
)
を探しに一の鳥居まで往ったぜ、親の心配は一通りじゃアねえ、年頃の娘がぴょこ/\出歩いちゃアいけねえぜ
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
男「此の始末はマア何う云うもんか、呆れて
仕舞
(
しも
)
うたなア……僕が僅かに十日
許
(
ばか
)
り
東京
(
とうけい
)
に参って居た留守の間に、隠し男を引入れるとは実に
怪
(
け
)
しからん事じゃ……これ
密夫
(
みっぷ
)
貴様は何処の
者
(
もん
)
じゃ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
喜「云います/\、萩原束という浪人
者
(
もん
)
でごぜえやす」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
太「それじゃア
私
(
わし
)
は内輪の
者
(
もん
)
じゃねえかえ、はーい」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“者”の意味
《名詞》
(もの)(動作の主体となる)人。
(出典:Wiktionary)
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“者”を含む語句
使者
拙者
従者
強者
卜者
同伴者
芸者
労働者
亡者
医者
巧者
何者
役者
痴者
案内者
幸福者
読者
達者
田舎者
馭者
...