立處たちどころ)” の例文
新字:立処
いきほひじようじて、立處たちどころ一國一城いつこくいちじやうあるじこゝろざしてねらひをつけたのは、あらうことか、用人ようにん團右衞門だんゑもん御新造ごしんぞ、おきみ、とふ、としやうや二十はたち
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かねちから權威けんゐもつて、見事みごともの祕藏ひざうすべし、ふたゝこれ阿母おふくろ胎内たいないもどすことこそかなはずとも、などかすべのなからんや、いで立處たちどころしるしせう。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わかるゝとき一掬いつきくゆきつて、昌黎しやうれいあたへていはく、のもの潮州てうしう瘴霧しやうむさん、叔公をぢさん御機嫌ごきげんようと。昌黎しやうれい馬上ばじやうこれけてそでにすれば、ゆきかぐはしく立處たちどころ花片はなびらとなんぬとかや。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……朝餉あさげますと、立處たちどころとこ取直とりなほして、勿體もつたいない小春こはるのお天氣てんきに、みづ二階にかいまでかゞやかす日當ひあたりのまぶしさに、硝子戸がらすど障子しやうじをしめて、長々なが/\掻卷かいまきした、これ安湯治客やすたうぢきやく得意とくいところ
鳥影 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
立處たちどころ手足てあしあぶるべく、炎々えん/\たる炭火すみびおこして、やがて、猛獸まうじうふせ用意よういの、山刀やまがたなをのふるつて、あはや、そのむねひらかむとなしたるところへ、かみ御手みてつばさひろげて、そのひざそのそのかたそのはぎ
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いなごひるかへる蜥蜴とかげごどきは、もつとよろこびてしよくするものとす。す(おう)よ、ねがはくはせめて糞汁ふんじふすゝることをめよ。もしこれ味噌汁みそしる洒落しやれもちゐらるゝにいたらば、十萬石まんごくいねおそらく立處たちどころれむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じつ六十幾歳ろくじふいくさい婆々ばゞで、かもじをみだし、しろぬのを裸身はだかみいた。——背中せなかに、引剥ひつぺがした黒塀くろべいいた一枚いちまい背負しよつてる。それ、トくるりと背後うしろきさへすれば、立處たちどころ暗夜やみ人目ひとめえたのである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)