たひ)” の例文
されば芝居をつくる処、此役者が家はさらなり、親類しんるゐ縁者えんじや朋友はういうよりも人を出し、あるひは人をやとひ芝居小屋場の地所の雪をたひらかにふみかため
御覽ごらんわたしへたかたいこと。まるでたけのやうです。これをおまへさんのにいさんのところへつてつて、このうらたひらなところへなにつておもらひなさい。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
なるほど少年せうねんはこれであらう、身体からだ沢庵色たくあんいろにふとつてる。やがてわけもなく餌食えじきたひらげて、ともいはず、ふツ/\と太儀たいぎさうに呼吸いきむかふへくわさ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
えうへいつよくし(一〇六)馳説ちぜい(一〇七)從横しようくわうものやぶるにるなり。ここおいみなみは百ゑつたひらげ、きた陳蔡ちんさいあは(一〇八)しんしりぞけ、西にししんつ。諸矦しよこうつよきをうれふ。
雨よ、この燃える思をひややかに、亂れた胸をたひらかに、このさし伸べたねつの手をすずしいやうにひやせかし。おゝ、ぽつりぽつりやつて來た。……あゝ、さつとひとあめ……おや、もう月の出か。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
枚目まいめつたときは、さききりいたぶんほゞかわいてしわ大方おほかたたひらになつてゐた。三枚目まいめつたとき、小六ころくこしいたくなつたとした。じつふと御米およねはう今朝けさからあたまいたかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
岩崎弥太郎いはさきやたらうさんとかたらツしやいまして、あの旦那様だんなさまが針の山をはらげて、その山をくづしたつちで血の池をめてしまひ、今ではたひらで、彼処あすこが公園にりまして、誠に面白おもしろうございますよ
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
閨中けいちゆう秘語ひごを心たひらかに聞くごとし町の夜なかにかはづ鳴きたり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
たひらけく枯野からのあか夕光ゆふかげ遠及とほおよびつつ寒しともなき
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
寄せては返す浪もなく、ただたひらかに
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
されば芝居をつくる処、此役者が家はさらなり、親類しんるゐ縁者えんじや朋友はういうよりも人を出し、あるひは人をやとひ芝居小屋場の地所の雪をたひらかにふみかため
銚子てうしなら、まだしもだが、もよほし稽古けいこなんどいそがしいときだと、ビールでどうふで、る/\うちに三挺さんちやうぐらゐぺろりとたひらげる。當家たうけのは、なべへ、そのまゝはしれるのではない。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けはし国たひらけくや。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
けはし國たひらけくや。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)